人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。

パスカル人名【は】で始まる

 人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。彼をおしつぶすために、宇宙全体が武装するには及ばない。蒸気や一滴の水でも彼を殺すのに十分である。だが、たとい宇宙が彼をおしつぶしても、人間は彼を殺すものより尊いだろう。なぜなら、彼は自分が死ねることと、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。宇宙は何も知らない。
 だから、われわれの尊厳のすべては、考えることのなかにある。われわれはそこから立ち上がらなければならないのであって、われわれが満たすことのできない空間や時間からではない。だから、よく考えることを努めよう。ここに道徳の原理がある。

ブレーズ・パスカル 『パンセ』より 1623年6月19日生 1623年8月19日没
フランスの哲学者・神学者・数学者

人間は自然の中では矮小な生き物にすぎないが、考えることによって宇宙をも超えうる。人間には無限の可能性があると同時に、一方では無限の中の消えゆく小粒子でしかない人間の有限性をも受け入れている。

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